2012年5月3日木曜日

都内の中学三年生です。 円錐の体積が円柱の三分の一と言うのがなぜそうなるのかが...

都内の中学三年生です。

円錐の体積が円柱の三分の一と言うのがなぜそうなるのかが分かりません

三角錐等でできるだけ簡単に(積分を使わずに)「三分の一」出し方を教えていただけないでしょうか







円錐の体積が 【 底面積 × 高さ × 1/3 】 であることを、積分を使わずに説明します。

(角錐でも斜円錐でも同様の説明ができます。)



相似形の性質を利用します。

相似形の図形や立体の場合、面積比は長さの2乗、体積比は長さの3乗となります。



二つの相似形の円錐AとBがあるとします。Aの高さをa、Bの高さをbとすると、AとBの底面積の比は [ a^2 : b^2 ] となります。

よって、Aの底面積が [ ka^2 ] となる定数kを与えてやると、Bの底面積は [ kb^2 ] と表わせます。

また、AとBの体積の比は [ a^3 : b^3 ] となります。



以上の性質を踏まえ、以下のように円錐の体積を求めます。



高さ[ h ]、底面積[ kh^2 ]、体積[ p ] の円錐Pがあります。

Pを高さ h/2 のところで水平に(底面と平行に)切ります。

切り分けた上の側の立体は、Pの相似形の円錐で、長さ(高さ)が1/2なので、体積は [ (1/2)^3 ×p ] です。 (=p/8)

切り分けた下の側の立体は「円錐台」と呼ばれますが、この体積は、[ 7p/8 ] となります。

次に、この円錐台から、上の側と合同の円錐をくりぬいて取り除きます。底面に丸い穴が開いていて、上面の1点に向かって円錐形にくりぬかれている状態です。

この立体をQ、その体積を [ q ] とします。

QはPから p/8 の円錐を2個取り除いたものなので、qはpの6/8倍です。

よって、( q = 3p/4 )なので、

p = 4q/3

となります。



この立体Qが2個、並べてあるとします。2個は合同ですが、片方はもう片方をひっくり返した状態で置かれています。

広い方の面を下にしたものを[Q1]、もうひとつを[Q2]とします。

これを2個とも下からxの高さで水平に切ります(もちろん、 0≦ x ≦ h/2 です)。すると、

[Q1]の断面積は k(h-x)^2 - k(h/2 - x)^2 、

[Q2]の断面積は k(h/2 + x)^2 - kx^2

となります。

この[Q1]と[Q2]の断面積の和を求めると、kh^2 となります。xが消えます(計算して確かめてください)。つまりどこで切っても断面積の和は同じということです。

このことから、断面積の和に高さをかけると、立体Qふたつ分の体積が求められることになります。

よって、立体Qの体積qは、

q = kh^2 × h/2 × 1/2

= kh^3 × 1/4

となります。

したがって p = 4q/3 であることから、円錐Pの体積は

p = kh^3 × 1/3 となります。

よって、円錐Pの体積pは、

底面積(kh^2) × 高さ(h) × 1/3

となります。








四角錐であれば、直感的に分かります。



一辺の長さが1の立方体(=四角柱) ABCD-EFGH があるとします。

同じ形の三つの四角錐に分けることができます。

(1)底面がCGHD 頂点がE

(2)底面がDHFB 頂点がE

(3)底面がACDB 頂点がE

この三つの四角錐はどれも、底面が一辺1の正方形、高さが1です。

この三つの同じ体積の四角錐を隙間なくつめると一辺が1の立方体すなわち体積1になります。

したがって、この四角錐の体積は、四角柱(立方体)の体積の3分の1と分かります。





これ以降は図を見て視覚的にというわけにはいきませんが・・・



錐体の体積が、"底面の形にかかわらず底面積と高さに比例する"ということを使えば、

円錐や三角錐などどんな錐体についても当てはまるということがわかります。







[底面の半径]=1 , [高さ]=1 とする。

円錐<円柱=π×1^2×1=π .

高さを二等分すると、

π×(1/2)^2×(1/2)<円錐<π×(1/2)^2×(1/2)+π×1^2×(1/2)

π×(1/8)<円錐<π×(5/8)

更に、それぞれの高さを二等分すると、

π×(1/4)^2×(1/4)+π×(2/4)^2×(1/4)+π×(3/4)^2×(1/4)<円錐<(左辺)+π×(4/4)^2×(1/4)

π×(14/64)<円錐<(左辺)+π×(1/4)



π×(1/8)^2×(1/8)+・・・+π×(7/8)^2×(1/8)<円錐<(左辺)+π×(1/8)

π×(140/8^3)<円錐<(左辺)+π×(1/8)

円柱×0.2734375<円錐<円柱×0.3984375



π×(1/16)^2×(1/16)+・・・+π×(15/16)^2×(1/16)<円錐<(左辺)+π×(1/16)

π×(1240/16^3)<円錐<(左辺)+π×(1/16)

円柱×0.302734375<円錐<円柱×0.365234375



π×(1/32)^2×(1/32)+・・・+π×(31/32)^2×(1/32)<円錐<(左辺)+π×(1/32)

π×(10416/32^3)<円錐<(左辺)+π×(1/32)

円柱×0.31787109375<円錐<円柱×0.34912109375







積分を使わないのならば、直感的に納得できることがいいと思います。

例えば模型を使って、底面積と高さが等しい錐体3つで、柱体1つができるというもの(できれば実物)を使うとよいかと思います。

学校の教科書にも載っている場合がありますが、以下も参考に。



http://d.hatena.ne.jp/jizobosatsu/20070213



http://www.edita.jp/masanori432/one/masanori432507.html







先生に聞くか改めて自ら教科書を読んで見るといいと思います

周りに頭のいい人がいたらその人に聞いてみるといいと思います

0 件のコメント:

コメントを投稿