炭酸塩硬度(KH)の緩衝作用について…
アクアリウムの基本的な知識に炭酸塩硬度(KH)は「緩衝作用」を
持つために「ph安定化」の効果があるとされています。
多くの参考文献(サイト)においては緩衝作用の説明に
「アルカリ性の水」に「酸性の水」を注ぐ場合を用いています。
その場合における緩衝作用の化学反応式を下記に示します。
HCO₃⁻(KHの代表イオン) + H+(酸性水の代表イオン) → H₂O + CO₂
このような反応により、酸性の水を注いでも炭酸塩硬度(KH)がある場合は
酸性に傾くことがないことは理解できます。
また、この説明例も自然の中では「KHが高く, phが低い」ことが不自然である
ことからであると思われます。
しかしながら、レッドビー飼育において現在主流となっている水質は
「高硬度&低ph」であります。
「酸性の水」に「アルカリ性の水」を注ぐことが一般化されています。
ここで質問なのですが、
① 炭酸塩硬度(KH)はOH⁻に対する緩衝作用を持っているのでしょうか?
また、炭酸塩硬度(KH)がOH⁻に対する緩衝作用を持つときに考えられる
化学反応には下記の2つがあると思います。
1. HCO₃⁻ + OH⁻(アルカリ水の代表イオン) → H₂O + CO₃ ²⁻
2. Ca²+(HCO₃⁻と対となるイオン) + 2OH⁻ → Ca(OH)₂(水酸化カルシウム)
最後の質問です。
②炭酸塩硬度(KH)がアルカリ性に対する緩衝作用を持つ場合に起きる
化学反応は 1. or 2. のどちらでしょうか?またはどちらでもないのでしょうか?
いつも面倒くさい質問をしているとは思いますが、
それでも質問に付き合ってくれたら幸いです。
回答よろしくお願いします。
むお。また面倒くさい質問ですなw
(褒めてます)
①OH-に対する緩衝作用も持っています。
②両方。
Ca(OH)2 + H+ + HCO3- → Ca2+ + 2OH- + H+ + HCO3- →CaCO3 + 2H2Oという感じ。
※水酸化カルシウムは、水中で生成されるよりむしろ、カルシウム補給のために外部から添加される側の物質であることが多いです。
今回のご質問だと、このあたりが参考になるかも。
http://www.aquageek.com/knowledgeph-kh.html
http://www.ne.jp/asahi/mc/minatomachi/phkhandca.htm
淡水魚の多くは弱酸性を好みますが、海水魚に関する記事だとミネラル添加が非常に重要になりますので、そういったサイトを検索してみると、結構参考になると思います。
ドツボにはまる前に・・・アクアリウムの水質に関しては、大局で捕らえる方が無理がないです。
ちょっと乱暴なところもありますが、下記記事が参考になると思います。
http://plaza.rakuten.co.jp/naturegarden/011000
参考になれば。
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補足について
化学の試験なんかだと、水中のイオンが限定されているので考えやすいのですが、実際の環境下だと飼育水槽下でさえ色んなイオンが存在していて、それらが密接に結びつきあっていますので、単純な式だけでは表しきれないというのが実状でしょう。
おおよその傾向は質問者様がすでに把握してらっしゃる内容で間違っていないと思います。
あとは高い視点で全体を見ていかれるのが良いと思いますよ。
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